問いかけ

大学で様々なジャンルのダンスを学ぶ様になった生徒さんが、手のポジションが定められていない自由の中で、ご自分の動きの癖や肘・手の空間の使い方に弱点を感じるというお話がありました。

あなたにとって肘とは?

そんな話をしましたが、それは何か一つの正解という「答え」を尋ねたのではなく、そんな風に問うことをしてみたことがあるだろうかという問いかけです。

例えば「肘」という言葉にどこを思い浮かべ、何を感じているのか。
バレエのアームスで知覚していたところかもしれないし、肘をつく場所で捉えているかもしれない。あるいはもっと漠然としていたりもするかもしれません。

一見無造作な様なアームスでも、むしろ型がないからこそ型の中で何をどのように感じてきたのか、またその際の身体の部位を表す言葉と感覚とがどう結びついているのかを、改めて問うてみることから始めてみることも、身体や動きと新たに出合っていくことなのではないかと思います。

 

上腕骨の動きをゆるす

上肢の動きのワークをしている時、肩関節側の上腕骨の上端(近位端)の動きや前腕の2本の骨(尺骨と橈骨)の動きは感じられていても、案外と上腕骨の下端(遠位端)の動きは感じられていないことがあります。

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Classic Human Anatomy in Motion: The Artist’s Guide to the Dynamics of Figure Drawing/Valerie L. Winslow

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赤ちゃん時代の動きを辿り直す中で

背中の一方の筋肉が厚くなっている
一方の脚が太くなったり
ハムストリングスに張りや硬さを覚える

そのようなお話がレッスンの始めにありました。fullsizeoutput_3be2

顎のワーク、手のワーク、寝返り、腹つき這い
ずり這い、ハイハイ…

赤ちゃんが発達する時のように
その動きを丁寧に辿っていくと
例えば、どんな時に左の背中をたくさん使っていたり
どんな風に股関節や膝関節を使っていたり
自分が感じている身体の部位の位置や向きの感覚と
実際の動きや姿勢とが
実は結構違っていたということにも気付きます。

過剰な働きを削ぎ落としていくと
その一方で
不足している、或いは忘れられていた働きの感覚も
少しずつ生起してきます。

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そうして再学習の時間を経た後
立つことや歩くことにもまた少し
それまでとは違う居心地やリズムがあることに気付きます。

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上陸のプロセス

ナチュラリゼーションの最初に顎のワークがあります。
それは座位でも行いますが、うつ伏せで肘や手のひらで身体の重さを支えながら、顎を開けたり閉じたりすることと、背骨の動き、胸郭の動き、そして呼吸という様々な働きに関わる動きを再学習していくわけです。

私達の祖先が水中から頭を出して、鰓呼吸から肺呼吸へと進化していく過程で、顎も形成されていきましたが、その一方では頭骨と肩帯の分離という骨の大改造もなされていたのです。それがやがて首になり、またその姿勢をとって動くようになる中でカーブした長い肋骨も、踵や5本の指も形成されていきました。

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違いを確かめてみる

寝返りと腹這いのワーク、そしてハイハイを丁寧に行なっていったレッスンの最後に、「さて、実験だよ〜!」と、その日フォーカスを向けていった働き合いの感覚の有無が、脚を上げたり、キープしたり、またアームスや背中の動きをどう変えるかということを確かめていきました。

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壊していくこと

例えばハイハイ以前の顎のワークや手のワーク、寝返りや腹這いのワークを丁寧にやり直して、その過程で新たに育まれてきたものがあれば、ハイハイの動きにも伸び代が生じているはず。ですが、ハイハイの動きもこれまでずっと繰り返してきただけに、それまでと同じようにこなしてしまうと、その伸び代を成長させることができません。

それまでの「それなりにできていたようなこと」を疑う視点も必要です。

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最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない

最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない。

例えば腹這いで進む様なワーク一つでも
「果たしてそのワークで育めることは、
今できている様に感じていることだけだろうか?」と、
自ら問い続けることができなければ
見出しそびれてしまうことがたくさんあります。

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なぜ、上肢からなのだろう?

ナチュラリゼーションの寝返りは上肢から動くのですが、ある程度長くレッスンを続けてきた生徒さんたちに、このところあえて下肢から動く寝返りもやってみて戴いてきました。

それは「なぜ、上肢からなのだろう?」という問いを、その二つのパターンの感触の違いから引き出すことができればという意図がありました。

上肢から動くときは働くけれど、下肢から動くときは余り働かない部位もあります。
そして、その働きに気付いたことが、片脚に立つことや歩くこと、更にはターンアウトとの関わりへと結びついてきた生徒さんもいらっしゃいます。

「なぜ上肢からなのだと思いますか?」とこちらから問いを投げかけてしまうのは簡単ですが、でも、もっと大事なのはその問いが生まれてくるところなのではないかと思うのです。

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