知っていることと感じられていること

「股関節」という言葉を殆どの方は知っています。
それがどこにあるかということも、
例えば解剖学や運動学の本の図、
模型などを通じて知っている方も多いです。

けれども、自分の内なる感覚として
それがどこに存在していて、今どのように動いているかを
脳が正確に捉えられているかといえば
必ずしもそうとは言えないということに気付いたり
ほんの少しその精度が増すような働きかけをしただけでも
股関節周りの筋の働きあいが自ずと変わって
より機能的な動きが出現するという体験を
先日の出張講座の際に皆さんにしていただきました。

使おうという意識以前に
自ずと発露してくる動きに出合うことで
その後にいつも行なっている股関節くるくるのワークや
ズリバイ、脱力のワークなどの動きを行ってみると
動きの軽さや滑らかさが全然違うことを発見したり
股関節周りの感覚がクリアになったり
不要な力が抜けていく感触を新たにした方も多かったようです。

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土曜日は自習会の後に、
ミニマルシューズや裸足で河川敷を歩く機会を設けました。

先日の台風の爪痕も
なぎ倒された草木や削られた地面
様々に散らばる砂利や玉石となって残っていて
自然の力の大きさを
ひしひしと感じるひと時でもありました。

芝生を歩くとき
小さな砂利道を歩くとき
少し大き目の玉石の上に乗りながら歩くとき
その刺激も、必要な調和も、バランス感覚も変わります。

こうした機会を経験している方も
初めての方もいらっしゃいましたが
様々な表情の地面に対応し、
足裏からの刺激を豊かに感じながら歩くという体験を通じても、
解き放たれていく力や自ずと生まれてくる調和によって、
その後に舗装された道を歩いた際の感触の違いを
参加者の皆さんは実感なさっていました。

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問いかけ

大学で様々なジャンルのダンスを学ぶ様になった生徒さんが、手のポジションが定められていない自由の中で、ご自分の動きの癖や肘・手の空間の使い方に弱点を感じるというお話がありました。

あなたにとって肘とは?

そんな話をしましたが、それは何か一つの正解という「答え」を尋ねたのではなく、そんな風に問うことをしてみたことがあるだろうかという問いかけです。

例えば「肘」という言葉にどこを思い浮かべ、何を感じているのか。
バレエのアームスで知覚していたところかもしれないし、肘をつく場所で捉えているかもしれない。あるいはもっと漠然としていたりもするかもしれません。

一見無造作な様なアームスでも、むしろ型がないからこそ型の中で何をどのように感じてきたのか、またその際の身体の部位を表す言葉と感覚とがどう結びついているのかを、改めて問うてみることから始めてみることも、身体や動きと新たに出合っていくことなのではないかと思います。

 

上腕骨の動きをゆるす

上肢の動きのワークをしている時、肩関節側の上腕骨の上端(近位端)の動きや前腕の2本の骨(尺骨と橈骨)の動きは感じられていても、案外と上腕骨の下端(遠位端)の動きは感じられていないことがあります。

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Classic Human Anatomy in Motion: The Artist’s Guide to the Dynamics of Figure Drawing/Valerie L. Winslow

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赤ちゃん時代の動きを辿り直す中で

背中の一方の筋肉が厚くなっている
一方の脚が太くなったり
ハムストリングスに張りや硬さを覚える

そのようなお話がレッスンの始めにありました。fullsizeoutput_3be2

顎のワーク、手のワーク、寝返り、腹つき這い
ずり這い、ハイハイ…

赤ちゃんが発達する時のように
その動きを丁寧に辿っていくと
例えば、どんな時に左の背中をたくさん使っていたり
どんな風に股関節や膝関節を使っていたり
自分が感じている身体の部位の位置や向きの感覚と
実際の動きや姿勢とが
実は結構違っていたということにも気付きます。

過剰な働きを削ぎ落としていくと
その一方で
不足している、或いは忘れられていた働きの感覚も
少しずつ生起してきます。

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そうして再学習の時間を経た後
立つことや歩くことにもまた少し
それまでとは違う居心地やリズムがあることに気付きます。

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上陸のプロセス

ナチュラリゼーションの最初に顎のワークがあります。
それは座位でも行いますが、うつ伏せで肘や手のひらで身体の重さを支えながら、顎を開けたり閉じたりすることと、背骨の動き、胸郭の動き、そして呼吸という様々な働きに関わる動きを再学習していくわけです。

私達の祖先が水中から頭を出して、鰓呼吸から肺呼吸へと進化していく過程で、顎も形成されていきましたが、その一方では頭骨と肩帯の分離という骨の大改造もなされていたのです。それがやがて首になり、またその姿勢をとって動くようになる中でカーブした長い肋骨も、踵や5本の指も形成されていきました。

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違いを確かめてみる

寝返りと腹這いのワーク、そしてハイハイを丁寧に行なっていったレッスンの最後に、「さて、実験だよ〜!」と、その日フォーカスを向けていった働き合いの感覚の有無が、脚を上げたり、キープしたり、またアームスや背中の動きをどう変えるかということを確かめていきました。

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壊していくこと

例えばハイハイ以前の顎のワークや手のワーク、寝返りや腹這いのワークを丁寧にやり直して、その過程で新たに育まれてきたものがあれば、ハイハイの動きにも伸び代が生じているはず。ですが、ハイハイの動きもこれまでずっと繰り返してきただけに、それまでと同じようにこなしてしまうと、その伸び代を成長させることができません。

それまでの「それなりにできていたようなこと」を疑う視点も必要です。

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最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない

最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない。

例えば腹這いで進む様なワーク一つでも
「果たしてそのワークで育めることは、
今できている様に感じていることだけだろうか?」と、
自ら問い続けることができなければ
見出しそびれてしまうことがたくさんあります。

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