上腕骨の動きをゆるす

上肢の動きのワークをしている時、肩関節側の上腕骨の上端(近位端)の動きや前腕の2本の骨(尺骨と橈骨)の動きは感じられていても、案外と上腕骨の下端(遠位端)の動きは感じられていないことがあります。

fullsizeoutput_3c9b
Classic Human Anatomy in Motion: The Artist’s Guide to the Dynamics of Figure Drawing/Valerie L. Winslow

“上腕骨の動きをゆるす” 続きを読む

赤ちゃん時代の動きを辿り直す中で

背中の一方の筋肉が厚くなっている
一方の脚が太くなったり
ハムストリングスに張りや硬さを覚える

そのようなお話がレッスンの始めにありました。fullsizeoutput_3be2

顎のワーク、手のワーク、寝返り、腹つき這い
ずり這い、ハイハイ…

赤ちゃんが発達する時のように
その動きを丁寧に辿っていくと
例えば、どんな時に左の背中をたくさん使っていたり
どんな風に股関節や膝関節を使っていたり
自分が感じている身体の部位の位置や向きの感覚と
実際の動きや姿勢とが
実は結構違っていたということにも気付きます。

過剰な働きを削ぎ落としていくと
その一方で
不足している、或いは忘れられていた働きの感覚も
少しずつ生起してきます。

fullsizeoutput_3bfe

そうして再学習の時間を経た後
立つことや歩くことにもまた少し
それまでとは違う居心地やリズムがあることに気付きます。

IMG_3336

上陸のプロセス

ナチュラリゼーションの最初に顎のワークがあります。
それは座位でも行いますが、うつ伏せで肘や手のひらで身体の重さを支えながら、顎を開けたり閉じたりすることと、背骨の動き、胸郭の動き、そして呼吸という様々な働きに関わる動きを再学習していくわけです。

私達の祖先が水中から頭を出して、鰓呼吸から肺呼吸へと進化していく過程で、顎も形成されていきましたが、その一方では頭骨と肩帯の分離という骨の大改造もなされていたのです。それがやがて首になり、またその姿勢をとって動くようになる中でカーブした長い肋骨も、踵や5本の指も形成されていきました。

“上陸のプロセス” 続きを読む

新しいいのちと祝福

私ごとになりますが、先月孫が生まれました。

長くナチュラリゼーションを続けていらした受講生の皆さまには、新生児の脊髄や脳幹レベルの反射などにについてのお話も交えながら、時折リアルタイムの発達の様子やそこから気付いた事、考えた事などをお伝えしたりもしています。

この世界に生を受けたばかりの赤ちゃんが胎児の頃から既に持ち合わせている、あるいは生後すぐに出現した栄養を摂ったり危険を回避するための脊髄レベルの反射や、重力に適応したり生理的屈曲から解放されるため、また四つ這いの姿勢を保つ達を促すための脳幹レベルの反射など、私自身が子育てをしていた頃とは違う立場から、そしてナチュラリゼーションの体験も踏まえながら改めて目の当たりにすると、私たちはちゃんと学べるように生まれてきているのだという実感もひとしおですし、しみじみと湧いてくる生命や自然へのリスペクトの感覚もあり、孫との時間にもまた少し違う豊かさを授かっている気がします。

「別冊日経サイエンス 認知科学で探る心の成長と発達」という本の中に、

赤ちゃんや幼児は単なる未完の大人ではない。変化し、創造し、学び、探求するために、進化によって極めてみごとに設計されている。このような能力こそが人間の本質で、人生の最初の数年間に純粋な形で表れる。

という言葉がありました。

今まさにそのような過程にある姿を見守り、そしてそれを間接的にでも、ナチュラリゼーションの時間を共に過ごしてきたみなさまと共有できる貴重な機会を授かれたことを幸いに思います。

受講生の皆様からとても素敵なソープカービングのお祝いを戴きました。丹誠込めて制作してくださった想いが色彩や香りとともに広がってきます。ありがとうございます。

IMG_3142IMG_3144

違いを確かめてみる

寝返りと腹這いのワーク、そしてハイハイを丁寧に行なっていったレッスンの最後に、「さて、実験だよ〜!」と、その日フォーカスを向けていった働き合いの感覚の有無が、脚を上げたり、キープしたり、またアームスや背中の動きをどう変えるかということを確かめていきました。

“違いを確かめてみる” 続きを読む

壊していくこと

例えばハイハイ以前の顎のワークや手のワーク、寝返りや腹這いのワークを丁寧にやり直して、その過程で新たに育まれてきたものがあれば、ハイハイの動きにも伸び代が生じているはず。ですが、ハイハイの動きもこれまでずっと繰り返してきただけに、それまでと同じようにこなしてしまうと、その伸び代を成長させることができません。

それまでの「それなりにできていたようなこと」を疑う視点も必要です。

“壊していくこと” 続きを読む

咄嗟の動きに感じる変化

昨年の7月頃にもバレエのお稽古中の生徒さんの咄嗟の動きの一部始終を見ていらした先生から同様のお話を伺ったことがあったのですが、昨日も以下のような体験談を戴き、とても興味深く感じましたのでこちらでもご紹介させて戴きます。

急いで階段を降りようとして躓いた際の身体の反応や、それについてお感じになったことを綴って下さいました。

fullsizeoutput_3750

「感じよう」として捉えた身体感覚ではなく、まず動きがあって後から訪れる感覚についての感触の違いについての表現がとても印象的でした。

ダンスを学んでいると、意識を介して「動かす」ということが習慣化され、それで捉えられる感覚をもとに自分の身体や動きをはかってしまう面があるかもしれません。けれども、必ずしもそのような意識的な操作を基軸とした動きだけではなく、ナチュラリゼーションを続ける中では自ずと生成されるような動きや、探って得られる感覚とは違うその感触との出合いがよく起こります。

長くナチュラリゼーションに取り組んで下さっているその方はまた、その経験を以下のように表して下さいました。

fullsizeoutput_3751

最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない

最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない。

例えば腹這いで進む様なワーク一つでも
「果たしてそのワークで育めることは、
今できている様に感じていることだけだろうか?」と、
自ら問い続けることができなければ
見出しそびれてしまうことがたくさんあります。

“最初に課題として感じていたことが、課題の全てではないかもしれない” 続きを読む

WordPress.com でサイトを作成

ページ先頭へ ↑